ダートムーアについて

ダートムーアはロンドンから南西へ車で5時間。イギリスの国立公園に指定されている、954平方キロメートルの面積を持つ広大な荒野です。標高は高い所で600メートル。ヒースにおおわれた荒野には紀元前4000年頃からの遺跡(ストーンサークル、墳墓、住居跡)がいたるところに存在しています。ダートムーアの岩(トア)は地球創成期に地下のマグマが固まり盛り上がって作られたものです。

ムーアにはトーアと呼ばれる奇岩奇石が点在し、石の彫刻を思わせる不思議な形の岩は地球が大地を形成した時のもので、割れた岩の内部は結晶化しておりクリスタルを発見することもあります!その頂上に立てば、360度の大パノラマが広がります。それはどこまでも続く果てしない大地と空。このトーアを結んでウォーキングルートが造られ、たくさんの人たちが、トレッキングを楽しんでいます。またロッククライミングのポイントにもなっています。

また、ダートムーアはなんと21の川の源流であり、バードウォッチングやカヌーも楽しめ、夏には家族連れが川ぞいでキャンプを楽しみ、子供たちは川で泳いだり、バーベキューをしたり、たくさんの家族の想い出が作られる場所となっています。その他、乗馬やサイクリングなどのアウトドアが充実しており、年令問わずすべての人々が自然と触れられる特別な所なのです。

darmoor national park この自然を利用して始められたのが「レターボックス」と呼ばれる遊びです。これは1854年から始まり、今日まで続いていているもので、最初はトレッキングを楽しんでいる人が、次のトレッカーにメッセージを残そうとしたのが始まり。現在ではスタンプとメッセージノートが岩かげに隠されており、それを探して歩き、スタンプを集めたり、ノートにメッセージを残します。このアクティビティは今でも大変盛んで、維持のために、みんなが大切にサポートし、数千ものレターボックスがダートムーアのいたる所に隠されています。あなたも、昔に残されたメッッセージを見つけてみませんか?そしてここに来た筆跡を残してみませんか?

darmoor national park そして、ダートムーアには別の顔があります。ムーアは天候が変わりやすく霧が発生すると一寸先も見えなくなり、怪しげな雰囲気が漂い始めます。そのため、数多くの妖精伝説や魔女伝説が今も存在します。過去に有名な小説に何回も登場し、シャーロックホームズの「バスカビル家の犬」の舞台になっていたり、アガサクリスティは小説「スタイルズ荘の怪事件」をダートムーアのムーアランドホテルの一室で書き上げました。最近では、スピルバーグ監督の最新映画「Warhorse」の舞台として、ムーアが撮影に使われています。

もう一つ、特筆すべき点は大地のエネルギーです。イギリスの島には東西を横切る二つのレイラインがあることが知られていますが、その二つのレイラインはダートムーア通過しており、磁場をひろうダウジングをする人たちがたくさん訪れます。世界的に有名なストーンヘンジのように、謎に包まれているストーンサークルや、宗教儀式で使われたのでなないかと推測される列石など、数多くの石の遺跡が存在しエネルギースポットとして注目されています。もちろん触ることもできますから、誰でもエネルギー体験ができます!

darmoor national park 長い長い歴史を秘めたダートムーア。このヒースの覆われた荒れた大地もかつては深い森につつまれた時がありました。自然は時に美しくも厳しい。ここでの生活は決して楽なものではなかったでしょう。それでも、自然と共に人々は暮らしを営み、家族の想い出があり、旅人が通りすがり、出会いと別れを積み重ね、今に続いています。ゆったりと流れる時の中で、人と自然と大地の声に静かに耳を傾けてみませんか?

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